マイペースがハイペースレースを制す

日本が誇るヒップホップグループ「NITRO MICROPHONE UNDERGROUND」の「DEAD HEAT」という曲を聞いたことがあるだろうか。

私はこの曲中のsuikenというラッパーの

「マイペースがハイペースレース制す」というフレーズが好きだ。

『周りが怠けていようと気にせず、納得がいくまで走り続けろ』という意味だと解釈している。

「俺はみんなと比べてかなり努力している方だろ」などと思った時には、このフレーズを思い出す。

ももしかしたらsuikenは『焦らなくていい』と言いたいのかもしれないし、或いはただいい感じに韻を踏めるから言っているだけで、特に伝えたいメッセージなんてないのかもしれない。

だけどそれでいい。

ヒップホップという音楽のいいところは、歌詞の解釈の幅が他の音楽より大きいところだ。

韻をたくさん踏んだ文章は、なんとなく言いたいことのニュアンスは伝わってくるものの、それだけでは意味がふんわりしていることが多く、それゆえ様々な解釈ができる。

しかも韻を踏んでいる分、意味的には以前聞いたことのあるような言葉にも、新鮮さやかっこよさがある。

ちなみにこのフレーズは、「マイペース」「ハイペース」「レース」「制す」の四つの言葉で韻を踏んでいる。

韻やラップというと、拒否反応を示す人も多いかと思う。私も昔はそうだった。

振り返れば四年前、ラップ好きをやたらアピールしてくるクラスメイトをバカにしていた時にふと、知らないのにバカにするのはよくないなと思い、youtubeで「ラップ」と検索し、MCバトルの動画をみたのがラップとの出会いだった。

確かに、素人が韻を踏むとゲロ吐くくらい気持ち悪いし、ヒップホップほど当たり外れの大きい音楽はない。

普段はかっこいいラッパーでも、たまにクソダサい曲を出したりする。

でも、食わず嫌いせずに聞いてみて欲しい。

芸術的な韻や流れるようなフロウが、かつてラップをバカにしていた私の心を掴んで離さないのだから。

 

 

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suikenのヴァースは3分9秒から)